2026年6月20日|探偵業 開業届について、制度の正確な解説と実務(費用・流れ・依頼先)を一次情報にあたって整理するメディア。
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探偵事務所の立ち上げの流れを徹底解説|届出・費用・手続き

梶原 誠一 / 更新:2026-06-19
探偵事務所の立ち上げの流れを徹底解説|届出・費用・手続き
探偵事務所を立ち上げたいけれど、何から手をつければいいのか分からない。資格はいるのか、警察にどんな届出をするのか、欠格事由でつまずかないか――不安は尽きないと思います。

結論から言うと、探偵業は許可制ではなく届出制です。営業を始める前日までに、管轄の警察署を経由して都道府県公安委員会へ「探偵業開始届出書」を出せば、特別な資格がなくても始められます。

私は行政書士として12年、許認可の現場に立ち会ってきました。探偵業の開業届も何件もサポートしています。この記事では、届出の流れ・必要書類・費用の目安・欠格事由まで、実際に手を動かせる順番で整理します。

探偵事務所の立ち上げとは?開業までの全体像

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まず押さえてほしいのは、探偵業が法律で定義された業務だということ。何でも自由に調べていいわけではありません。

探偵業とは何か(業務内容をわかりやすく解説)

探偵業とは、依頼を受けて特定の人の所在や行動に関する情報を集め、聞き込み・尾行・張り込みなどの実地調査を行い、その結果を依頼者に報告する仕事です。これは「探偵業の業務の適正化に関する法律」に定められた定義そのものです。

浮気調査、人探し、行方不明者の所在確認などが典型ですね。世間のイメージより、法律で枠がきっちり決まった仕事だと思ってください。

立ち上げに資格や免許は必要か

探偵業の開業に、特別な資格や免許は不要です。試験もありません。

ここは誤解が多いところ。「探偵の資格」をうたう民間講座もありますが、開業の必須条件ではありません。必要なのは資格ではなく、後述する届出と、欠格事由に該当しないことです。

立ち上げから営業開始までの流れを一目で確認

全体像を時系列で並べると、迷いにくくなります。私がサポートするときも、この順番で進めます。

探偵事務所 立ち上げの流れ
順番やること提出先・場所
1欠格事由に該当しないか確認本人で確認
2営業所の確保(自宅も可)
3探偵業開始届出書の作成・添付書類の準備所轄警察署
4営業開始日の前日までに届出警察署経由で公安委員会
5営業所への標識の掲示・ウェブ掲載営業所・自社サイト
6税務署へ開業届を提出管轄税務署

法人で始めるなら、この前に会社設立が入ります。個人事業なら4と6が中心です。

探偵事務所の立ち上げに必要な届出と手続きの流れ

立ち上げの山場は届出です。期限と書類さえ外さなければ、手続き自体は難しくありません。届出を怠ると罰則があるので、ここは正確に進めます。

探偵事務所の立ち上げに必要な届出と手続きの流れ

警察署への「探偵業開始届出書」とは

探偵業を始めるには、営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会へ、所轄警察署長を経由して届出をします。提出期限は「営業を開始しようとする日の前日まで」です。

届出をせずに営業した場合、6月以下の懲役又は30万円以下の罰金。書類に虚偽記載をして出した場合も30万円以下の罰金です。軽く見てはいけません。

なお、2024年4月の改正で届出証明書の交付は廃止されました。代わりに、営業所に所定様式の標識を掲示する義務があります。

この標識は、原則として自社ウェブサイトにも掲載する必要があります。サイトを作るなら、最初から掲載枠を想定しておくと後が楽です。

届出に必要な書類と手数料

個人で届け出る場合の基本的な書類は次のとおりです。地域によって細部が違うことがあるので、提出前に所轄署で確認すると確実です。

探偵業開始届出書 個人の主な必要書類
書類内容
探偵業開始届出書氏名・住所・営業所・業務の概要などを記載
住民票の写し本籍記載のもの
誓約書欠格事由に該当しない旨を誓約
身分証明書本籍地の市区町村が発行(成年被後見人等でない証明)

法人の場合は、これに登記事項証明書や役員分の書類が加わります。役員が多いほど書類は増えます。

手数料の額は地域や様式の運用で扱いが分かれるため、ここでは断定しません。所轄警察署の生活安全課で必ず最新を確認してください。

税務署への開業届の書き方(職業欄・屋号)

探偵業の届出とは別に、個人事業として始めるなら税務署へ開業届を出します。これは収入を事業所得として申告するための手続きです。

職業欄は「探偵業」と書けば十分です。屋号欄には事務所名を入れます。空欄でも提出はできますが、屋号があると銀行口座や契約で使いやすい。

開業届を出すと青色申告の選択につながり、節税面で有利になります。私は個人で始める方には、開業届と青色申告承認申請書をセットで案内しています。

法人で開業する場合の会社設立手続き

法人として営む場合は、探偵業の届出の前に会社を設立します。定款作成、公証役場での認証(株式会社の場合)、法務局での設立登記、という流れです。

設立後は登記事項証明書が取れるので、それを添付して探偵業開始届出書を出します。順番を逆にすると添付書類がそろわず止まるので注意してください。

立ち上げの前に確認したい要件と欠格事由

届出は誰でもできるわけではありません。欠格事由に一つでも当たると、そもそも探偵業を営めません。書類を作る前に、ここを最初に確認します。

立ち上げの前に確認したい要件と欠格事由

探偵業を営むために満たすべき要件

探偵業の業務の適正化に関する法律は、平成18年6月8日に公布され、平成19年6月20日に施行されました。この法律のルールを守れることが、営む大前提です。

要件の中心は、欠格事由に該当しないこと。資格や資本金の下限はありません。ハードルは能力より「適格性」にあります。

開業できない「欠格事由」とは

欠格事由とは、これに当たると届出が受理されず開業できない条件のことです。代表的なものを挙げます。

探偵業の主な欠格事由
区分内容
破産破産手続開始の決定を受けて復権していない
前科禁錮以上の刑などの執行終了から一定期間を経ていない
法令違反探偵業法違反で罰金刑を受けて一定期間内
処分歴営業の廃止を命じられて一定期間内
心身業務を適正に行えない心身の状態にある

法人の場合は、役員の一人でも欠格事由に当たると届出ができません。共同で立ち上げるなら、全員分を先に確認してください。

やってはいけない業務(探偵業法のルール)

届出をしても、何でも調べていいわけではありません。差別やストーカー、犯罪に使われると分かっている調査は、依頼を受けてはいけません。

また、調査で知った情報を漏らすことも禁止です。変更届や廃止届の提出を怠ると、30万円以下の罰金が定められています。届出後の運用も法律の対象だと意識してください。

探偵事務所の立ち上げにかかる費用と収益の目安

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お金の話を整理します。費用は始め方で大きく変わります。個人でひっそり始めるか、フランチャイズで看板を借りるかで桁が違う。

個人経営とフランチャイズの資金比較

業界サイトでは、大手のフランチャイズ加盟で開業する場合の費用例として、次の目安が示されています。公的統計ではなく、あくまで一例です。

フランチャイズ型開業費の例
業界サイト上の例示であり、公的統計ではない
項目金額の目安
加盟費用100〜150万円
研修費50〜100万円
機材・販促物・書類等50〜100万円
合計200〜350万円

個人で自宅を営業所にすれば、初期費用はここまで膨らみません。届出関連の実費と、調査機材、サイト制作くらいから始められます。

正直に言うと、最初から数百万を投じるフランチャイズは、集客力を金で買う選択です。資金に余裕がないなら、私は個人開業から始めるほうを勧めます。

探偵業の収益構造と収入の考え方

探偵業の料金は、主に調査料(着手金・人件費等)、成功報酬、経費(車両費・交通費等)、手数料で構成されます。これが収益の柱です。

収入は依頼件数と単価で決まります。年収◯◯万円といった断定的な数字は、出典で裏づけられないため書きません。安定するかどうかは、結局この後の集客にかかっています。

開業後にかかる固定費・運営コスト

見落とされがちなのが、開業した後の毎月の支出です。ここを甘く見ると資金が早く尽きます。

事務所家賃、車両の維持費とガソリン代、調査機材の更新、サイトの維持や広告費。さらに保険や通信費も乗ってきます。最初の数ヶ月は依頼が読めないので、半年分は運転資金を残しておきたいところです。

立ち上げ手続きでつまずきやすい開業届のハードル

探偵業の届出は通っても、税務署への開業届を後回しにして慌てる人が多い。ここは簡単なのに、放置すると後で面倒になります。

立ち上げ手続きでつまずきやすい開業届のハードル

開業届は誰がいつ提出するのか

開業届は、事業を始めた本人(個人事業主)が、管轄の税務署へ提出します。探偵業を個人で営む人が自分で出す書類です。

法人なら開業届ではなく、法人設立届出書などを税務署へ出します。個人か法人かで書類名が変わる点に注意してください。

提出期限と遅れた場合の注意点

開業届の提出期限は、事業開始日から原則1か月以内です。提出が遅れても受理はされますが、青色申告のメリットを取り逃すことがあります。

青色申告承認申請には別の期限があります。開業届と一緒に出してしまうのが一番安全です。

ネットやスマホで簡単に作成・申請する方法

開業届は、無料の作成ツールを使えば項目を選ぶだけで完成します。職業欄や屋号もガイドに沿って入力するだけです。

電子申請に対応していれば、スマホからそのまま提出できます。税務署へ足を運ぶ手間が省けるので、私はこの方法を案内することが増えました。ただし探偵業の警察への届出はオンラインで完結しないので、混同しないでください。

探偵事務所の立ち上げで失敗しないためのポイント

手続きが終わってからが本番です。実務で見てきた限り、つまずく原因はだいたい二つ。法令違反と、集客の甘さです。

探偵事務所の立ち上げで失敗しないためのポイント

法令遵守で信頼される事務所をつくる

探偵業法を守ることは、信頼の土台です。届出をしない無届け営業は6月以下の懲役又は30万円以下の罰金、虚偽記載は30万円以下の罰金。一度の違反で営業そのものが止まります。

標識の掲示とウェブ掲載、契約前の重要事項説明、調査で得た情報の管理。地味ですが、ここを徹底している事務所は依頼者に選ばれます。

集客の難しさと広告戦略

正直に言うと、立ち上げで一番苦しいのは届出ではなく集客です。届出は数日で終わりますが、依頼が来るまでは何ヶ月もかかることがあります。

探偵は信頼で選ばれる業種です。サイトに料金体系と標識を明示し、実績や相談の流れを丁寧に載せる。誇大な表現で釣ると、後でトラブルとして跳ね返ってきます。地道な情報発信のほうが効きます。

現場でよくある失敗例とその回避策

私が実際に見てきたつまずきを挙げます。どれも事前に防げるものばかりです。

立ち上げでよくある失敗と回避策
失敗例回避策
届出前に営業を始めてしまった営業開始日の前日までに届出を完了させる
役員の欠格事由を確認せず法人申請設立前に全役員の身分証明書を取得して確認
標識をサイトに載せ忘れたサイト公開時に掲載枠を用意しておく
税務署の開業届を放置探偵業の届出と同時期に提出する
集客費を見込まず資金切れ運転資金を半年分確保してから開業

探偵事務所の立ち上げに関するよくある質問

【これであなたも名探偵!!】探偵業の届出について説明します!(1回目/全2回)
【これであなたも名探偵!!】探偵業の届出について説明します!(1回目/全2回)

相談でよく受ける質問を、出典で裏づけられる範囲でまとめました。

よくある質問

探偵事務所の立ち上げの費用はいくらかかる?
始め方で大きく変わります。フランチャイズ加盟の例では、加盟費用100〜150万円、研修費50〜100万円、機材等50〜100万円で合計200〜350万円という目安が業界サイトで示されています(公的統計ではありません)。個人で自宅を営業所にすれば、初期費用はこれより抑えられます。
初心者でも一人で始められる?
始められます。探偵業の開業に特別な資格や試験はなく、欠格事由に該当しなければ一人でも届出が可能です。ただし調査の実務スキルと集客は別問題なので、そこは準備が要ります。
立ち上げから営業開始までどれくらいかかる?
探偵業開始届出書は営業を開始しようとする日の前日までに提出すればよく、書類がそろえば短期間で進みます。法人で始める場合は会社設立の登記が先に入るため、その分の日数を見ておいてください。

ここまで読んだら、最初の一歩は決まっています。自分が欠格事由に当たらないかを確認し、営業所を決めること。そこさえ固まれば、あとは届出書を書いて前日までに出すだけです。迷ったら所轄の生活安全課か、許認可を扱う行政書士に相談してください。

この記事について質問できますAIが記事をもとに答えます
こんにちは。この記事について、下の候補から選ぶか、自由に質問できます。

梶原 誠一

行政書士(許認可・開業手続き専門) ・ 探偵業開業届出サポート実績あり
行政書士歴12年

行政書士として許認可申請を専門に扱い、探偵業の開業届から風営法まで実務手続きを数多くサポートしてきた。手続きの流れと必要書類を一次情報に基づいて正確にまとめることを心がけている。

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梶原 誠一
梶原 誠一
行政書士として許認可申請を専門に扱い、探偵業の開業届から風営法まで実務手続きを数多くサポートしてきた。手続きの流れと必要書類を一次情報に基づいて正確にまとめることを心がけている。

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